「睡眠が大切だ!」ということは、幅広く知られていますよね。
しかし、「分かっていても夜更かししてしまう。」という人も多いのではないでしょうか。学校現場でも、高学年になればなるほど睡眠時間が短くなっていく状況があります。
このような状況は、ある意味当然で、子どもの頃から「まずは睡眠の質を上げないと!」というモチベーションをもつことの方が稀でしょう。
ただ、「十分な睡眠をとったほうが勉強効率が上がる」というのも事実。
だからこそ、親御さんは、「子どもの睡眠をサポートして、十分な睡眠が確保できるようサポートしてあげる」ことが大切なのです。
本記事では、
・そもそも、「睡眠」と「勉強」ってどんなかかわりがあるの?
・「睡眠」についてアドバイスをするときに伝えるべきことは?
・十分な「睡眠時間」を確保するために何をしたらいいの?
という疑問にお答えします。
とにかく「睡眠」は「習慣化」が大切です。
本記事を読み、子どもさんの「睡眠」を充実させ、「勉強効率アップ」につなげてくださいね。
【勉強×睡眠】十分な「睡眠」が「勉強効率」を上げる理由

「睡眠の大切さは分かっているんだけど、子どもがなかなか寝てくれない。」
というお悩みは、本当にたくさんの親御さんから聞かれます。
そんなお悩みは、子どもさんが高学年になればなるほど深まってくるもの。「寝なさい!」の声かけだけでは、効果なしの場合も多いでしょう。
そんなお悩みを解決する方法として、「睡眠のよさを具体的に知ってもらう」というのはいかがでしょう。何事も「やらされている感」で動くのはいやなもの。大切なのは、「私が望んでやっている!」という主体性なのです。
だからこそ、小さい頃から「睡眠の大切さ」を具体的な生活場面に照らし合わせて声かけをしてあげることが大切なのです。そんな「声かけ」に使える情報として、次の研究をご紹介します。
例えば、2019年、マサチューセッツ工科大学で行われた実験では、
「長時間、規則性のある質の高い睡眠をとっていた学生の方が、テストの成績がよかった。」
という結果が導き出されています。
「声かけ」をする上で大切なのは、「大学の研究でね。」と話をしても、「はっ?」と言われるだけなので、
と言い聞かせるのは大切です。
ちなみに、親御さんが知っておきたいこの実験のポイントは、「規則性のある睡眠」というところ。お気づきかと思いますが、勉強効率を上げるには、「テストの前日に早く寝ればいい。」というものではありません。
「普段から規則正しい十分な睡眠時間をとっているから勉強ができる」ということは強調しておきましょう。
先ほど、ご紹介した実験で確かめられたことですが、
「普段の睡眠生活が安定していれば、テストの前日だけの短眠は、パフォーマンスを落とさない。」
ということも分かっています。
極端な話、普段から十分な睡眠習慣が整っている子どもさんは、「テスト前日に睡眠時間が短くなっても、当日のパフォーマンスに影響しない」と言えるのです。
あくまでも、「十分な睡眠時間が生活の中で確保されている状態」が最高の勉強環境なのです。
【勉強×睡眠】「睡眠」が足りていない人に起こりがちな「勉強中止サイン」とは

ここまで「睡眠が勉強効率アップにつながる」ことを書いてきましたが、ときに「勉強を中止して睡眠をとったほうがよい状態」もあり得ます。
・文章を読んでいたのに、気づいたらどこを読んでいたのか分からなくなってしまう。
・いつもなら簡単に解けるような問題にひっかかる。
・計算ミスのような凡ミスを繰り返す。
勉強をしていてこのような状態が見られたら、もしかすると「マイクロスリープ」が起きている可能性があります。
「マイクロスリープ」と言うのは、「脳の居眠り現象」として知られています。1~10秒という瞬間的な居眠りのことなのですが、この「マイクロスリープ」がおそろしいのは、
「瞬間的に寝ていることを、周囲の人も自分でさえ気づかない。」
ということろにあります。
ある実験で、「32時間寝ていない人に車を運転させたところ、運転中に20回もマイクロスリープしていた」なんてこともあったということ。
「睡眠不足」というのは、ありとあらゆるデメリットを引き起こします。「集中力」や「判断力」を失ってしまうという「気づきやすいこと」もありますが、「マイクロスリープ」のような無意識で起きることもあるので注意しましょう。
ちなみに、「判断力を失っている」からこそ、勘違いしてしまいがちなのは、「勉強に取り組んだ時間」に達成感を得てしまう勉強法です。大切なのは、「長時間勉強したこと」ではなく、「勉強の質」だというのは自明の理ですよね。
ただ、「睡眠不足」におちいっている人は、「ただただ、決められた時間絶えた」ということを「成果」と判断してしまいがちです。
ぜひとも、「マイクロスリープ」が起きてしまうような状況に追い込まれたのであれば「根性」ではなく、「いさぎよい撤退」を選択しましょう。
【勉強×睡眠】そもそも、「なんで睡眠が必要なの?」と聞かれたら

子どもさんが成長するほど、親御さんのアドバイスに対して「本当かな?」と考える力が育ってきます。幼かった頃には通じていた「なんとなく理論」は、小学校高学年にもなれば、全く通用しなくなるでしょう。
しかし、その成長を認め「しっかりと説明をする」ことで、子どもさんの納得感を得られるのであれば、素晴らしい関係性を築くことにもつながるでしょう。
そこで、「早く寝るんだよ!」と声をかけた際に予想される、
「なんで早く寝ないといけないの?」
という質問へ答えるための、「睡眠の必要性」について簡単にまとめておきますので、子どもさんと話し合う際にさらっと読んでみてくださいね。
「睡眠」のメリット① 健康になる
「睡眠」のメリットとして外せないのが「健康面」に与えるメリット。
みなさんも「睡眠不足でいらいらする」なんてことを経験したこともあるでしょう。このような「いらいら」だけでなく「不安」や「落ち込みやすさ」といった、「気分への影響」も「睡眠不足」のこわさです。
また、「睡眠不足」による「免疫力の低下」も広く知られていますよね。また、血管系の病気へのリスクも上がるとされています。
このようなリスクを考えると、「十分な睡眠は、自分の人生を豊かにしてくれる」と言っても過言ではありません。
子ども心には「健康」という視点はあまり響かないかもしれませんが、「今日という日を楽しみたいのであれば、まずは十分な睡眠をとること」というアドバイスは分かりやすいのではないでしょうか。
「今を楽しみたいからなるべく寝たくない」という主張を受け止めつつ、理想の未来を現実に変えられるよう、アドバイスをしてあげてくださいね。
「睡眠」のメリット② 見た目が魅力的になる
「睡眠不足で、肌の調子がわるい。」
なんて経験はありませんか。
もちろん、このような状況にも根拠があります。
まさに、「睡眠不足が、外見的な魅力を下げる」という報告があるのです。
簡単に言うと、睡眠中に行われるのは「体のメンテナンス」。眠っている間に、わたしたちの細胞が修復・再生され新しくなっていくことを考えると、「睡眠不足」になることのデメリットは予想がつきますよね。
また、「見た目」ではなく、脳内でも眠っているときに行われていることがあります。
それが、「老廃物の回収・除去」という大切な活動。
このように、眠っている間にわたしたちの体はリフレッシュしていることを考えると、「睡眠不足」になることのデメリットをあえて受ける必要性はないと感じられますよね。
「睡眠」のメリット③ 人間関係が豊かになる
3つ目のメリットとしてあげるのは、「人間関係」についてです。
先ほど、「十分な睡眠をとることで、気分が安定する」という内容を書きましたが、その「気分の安定」は、人付き合いにも大きな影響を与えることは予想がつきますよね。
だれしも「不機嫌でいじわるな人」とは、かかわりたくないもの。反対に、「いつも上機嫌で楽しそうにしている人」は、積極的に受け入れられるでしょうし、自然と人間関係が充実してくることも不思議ではありません。
このように、「十分な睡眠」というのは、「人間関係の豊かさ」にさえ作用するのです。
ぜひとも、「いつも朗らかに人と接する」ことにより、学校や職場でよりよい人間関係を築くことができるよう子どもさんにアドバイスをしてあげてくださいね。
【勉強×睡眠】まとめ

本記事では、「勉強効率を上げるためは、十分な睡眠が必要不可欠である」という内容をまとめました。
「睡眠不足」におちいると、本来の自分の実力が発揮できないだけではなく、「自分に自信がもてない」とか「人間関係がうまくいかない」といった、二次的な自信喪失につながる可能性すらあるのです。
そのような状況におちいらないためにも、「子どもの頃からの睡眠習慣」を安定させることが大切です。
そして、安定させるためには、子どもに任せきりではなく、親御さんのサポートが必要不可欠でしょう。
日々の「声かけ」や「サポート」が子どもさんの実力を最大限に引き出すことにつながると意識し、共に「よりよい睡眠習慣」を追求してみてくださいね。
✅勉強の習慣化についてはこちら。

コメント