楽しい「学級開き」を終え、スタートをきって1か月。
やる気に満ちあふれていた「子ども」も「教師」も、少しだけエネルギーが切れてくるころ。
もしかすると、
✅「できていたこと」が、できなくなってくる。
✅「人間関係」に波風が立ち始める。
✅ちょっとした「あいまいさ」が、大きな不満になる。
そんな「教師」にとって、「見過ごしてはおけないこと」について対処する際に役立つ情報をまとめました。
具体的には、次の4つ。
①ピグマリオン効果
②成長マインドセット
③好意の返報性
④ラベリング効果
どれも一度は聞いたことがあるでしょう。
当たり前ですが、「学校」というところは、「人間」の集合体。
「人間」が集合して「学級」をつくりあげているのですから、子どもたち「個」の特性をふまえて手立てを考えていくことも大切ですが、まずは、「学級」という「集団」をしっかりと「経営」し、子どもたちに「安心感」を与える必要があるのです。
そんなときに、役立つ「4つの心理効果」について見ていきましょう。

「小学校」の「学級経営」で大切にしたい4つの「心理効果」。
「学級経営」は、「集団をどのように運営していくか」ということにあります。
その際にとても大切になるのは、
「教師のみとり力」
に他なりません。
子どもたちに「個」で接しながらも、「学級として大切にしたいこと」をしっかりと伝え、子どもたちが、「安心して楽しく過ごすことができる学級」をつくっていくことが肝心です。
日々の「子どもたちの変化」と、「学級の変化」を的確に「みとり」つつ、手立てを考えましょう。
そして、手立てを実行したのであれば、
をふたたび「みとり」、次の手立てを考えていくことが大切なのです。
では、その「手立て」となり得る、「4つの心理効果」について、それぞれ見ていきましょう。
①ピグマリオン効果
「ピグマリオン効果」とは、
アメリカの教育心理学者ロバート・ローゼンタールによって提唱された、「期待と成果」に関する効果のこと
です。
簡単に言うと、
ということですね。
「学級経営」をする上で基本的なスタンスとなるでしょう。
ときに、「あなたが、学級の子どもたちにどれだけ強く期待をしているか」を間接的に伝えることも大変有効です。
例えば、教育実習生が来た時に・・・。
「この学級は、最高の子どもたちが集まっているんだ! 授業中は、元気に自分の考えを伝えられるし、友達の考えを簡単に否定する人もいない。当番活動にも進んで取り組んで、お手伝いにも積極的。間違いなく、この学校、いや日本一の学級だと僕は、信じているんです!!」
なんて、自慢をするのはいかがでしょう。
だいぶ大げさな気もしますが、これくらい「先生は、みんなの可能性を信じて期待しているよ!」ということを伝えていく方がよいでしょう。
特別な場面ではなくても、普段の朝の会のときに、
「今日は、一年生を迎える会があるね。『高学年として一年生を喜ばせてあげたい!』っていう気持ちの優しい友達が多いから、きっと一年生をたくさん笑顔にしてあげられると思うよ!」
というように、教師の期待を「具体的な言葉で伝える」ということは、大変効果的です。
そして、帰りの会で「価値付けする」なんてことができたら最高でしょう。
この「期待の繰り返し」が、「教師」と「子ども」だけでなく、「子どもたち同士」の関係を良好にして、「安心できる学級」につながるのです。

②柔軟なマインドセット
「ピグマリオン効果」と共に取り入れたいのは、
「子どもたちの考え方を『柔軟なマインドセット』に整える。」
ということです。
だれもが頑張ろうとしている4月。その「頑張ろう!」としている気持ちを教師がみとって
という「価値づけ」をしてあげることで、「成長できる!」という意識をもたせてあげることが大切です。
「柔軟なマインドセット」は、いつから実践しても遅くありません。
例えば、「モチベーションが下がってきた様子が見られた時」など、
「みんなは、自分のことをどう思っている? ちょっとアンケートをとってみるからどちらかに手を挙げてね。①自分は、何をやってもだめだと思っている人? ②自分は、頑張れば成長できると思っている人?
と聞いてみてもよいでしょう。
ここで大切にしたいことは、
です。
もちろん、子どもによっては、「自分のことを100%心から信じられる」とは限らないでしょう。しかし、
なのです。
そして、「目に見える具体的な成果」があったときは、
「今日の運動会は、最高だったね!! みんなが頑張って練習を続けてきたから成功につながったんだ。みんなが頑張っている姿を見れて、先生もきっとおうちの方も嬉しかったよ!」
と、「価値づけ」をしましょう。
そうすることで、「自分は、頑張れば成長できる。」という思いを、「具体的な成長」として感じることができるのです。
③好意の返報性
次にご紹介するのは、「好意の返報性」です。
これは、
「人から『好き』や『信頼している』という気持ちを与えられると、自分も『好き』になったり、『信頼』したりするという法則。」
のことを言います。
教師あるあるの1つとして、
「担任が変わると子どものキャラクターが変化する」
ということがあります。
同じ子どもでも、「接する教師がどのような支援をするか」によって子どもが変化するのです。
これこそ、まさに「返報性の法則」が働いている可能性がありますね。
ということを考えると、気をつけるべきは、学級の「やんちゃ君」への対応でしょう。
教師が、進んで「やんちゃ」というみとりをすると、期待通り「やんちゃ」な行動をとってくれるということです。もちろん、「やんちゃ」がよくないということではありませんが、「安心できる学級」にならないような行動は、減らしてもらう必要があります。
だからこそ、
ということが大切です。
この繰り返しにより代々継続してきた「やんちゃ」という「キャラクターを変更」することができるのです。

④ラベリング効果
「返報性の法則」に合わせて「ラベリング効果」も使いこなしましょう。
人は、
「他人から期待された通りの行動をしようとする。」
という性質があります。だからこそ、学級の「優等生」は、「優等生」として継続していくのですが、困るのは、
「学級という集団の中で『自分を出すことができない』子ども。」
です。
だからこそ、「教師」として「活躍できるチャンス」を提供しましょう。
その子の「ひっそりとした輝き」を「みとり」、称賛するとともに、
「あなたは、〇〇が上手いよね。」
「あなたの良いところは、〇〇なところだよね。」
と「プラスのラベルを貼る」ことをねらいましょう。
「教師」から「新たなキャラクター」を受け取ったことにより、「今までのとは違った活躍」を見せることが多々あります。
そう、「子ども自身も気づいていないよさ」を「教師」が見つけ、「ラベリング」することで、
ことが、「その子」にとって「安心できる学級」になるのです!
まとめ。
本記事では、「『小学校』での『学級経営』で大切にしたい4つの『心理効果』」についてまとめました。
どれも、知らず知らずのうちに聞いてくるため、絶対に意識しておきたいものばかりです。
全てに共通することは、
「子どの可能性を信じて声かけする!」
ということでしょう。
子どもは、「教師のみとり」による「具体的な声かけ」で「成長」していくのです。
ぜひとも、本記事で紹介した「4つの心理効果」を使いこなして、「学級経営」を成功させてくださいね!!
🔽「心理効果」と同じくらい「教師の話し方」も大切です!

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