5年生の理科で印象に残る授業の1つと言えば「メダカのたんじょう」です。何が印象的なのかと問われたら、
「実際にメダカを飼う。」
という活動でしょう。
教室に大きな水槽が準備されてメダカが放流されると、目をきらきらさせながら、かじりつくように水槽をのぞき込んでいる子どもたちの姿があります。
毎日交代で世話をする内に愛着がわき、理科の学習が終わった後も、世話をし続ける子どもたちもたくさんいます。
そして、進級を迎える3月。
メダカの行方が気になりますよね。もちろん、5年生の担任が責任をもって次の学級へ持っていくという場合もありますが、もしかすると、
「家で飼ってみたい!」
という子どもたちの願いが叶い、それぞれの家庭へもらわれていくこともあるでしょう。一年間を通して育ててきたメダカですから、大きな環境の変化に適応してもらいたものです。
そこで、本記事では、
・家には教室にあったような水槽はないけど大丈夫かな。
・どうやって世話をすればいいんだろう。
・メダカを飼うにはやっぱり「家の中」なのかな。外でも飼える?
というような子どもたちからよく出される疑問について答えていきます。
メダカを家庭で飼うときの方法を1からまとめましたので、参考にしてください。

▶そもそも、メダカってどんな魚?
あなたは、「メダカ」と聞いてどんな魚を思い浮かべますか。もしかすると、小さなオレンジ色をした魚を思い浮かべるのではないでしょうか。
実は、野生のメダカは「キタノメダカ」と「ミナミメダカ」の2種類で、黒っぽい地味な色をしています。ペットショップに行くと「黒メダカ」という名前で売られているかもしれません。
こちらが「キタノメダカ」。

そして、こちらが「ミナミメダカ」。

「じゃあ、思い描いていたオレンジ色のメダカは何なんだ?」という話になりますよね。
オレンジ色や白っぽいカラフルなメダカは、突然変異で産まれた特殊な色を持つメダカを選択交配させることで作り出された改良品種のメダカ」
なのです。
野生の地味なメダカは人間とのかかわりも深く、昔から田んぼや小川、水路などで動物プランクトンを食べて生活していました。古くから金魚と共に売られているなど、観賞用として人間の心を癒していたのです。
▶メダカの飼い方を決めよう!
では、メダカを飼うことが決定したのなら次に考えなくてはならないことは、
「メダカをどうやって飼うのか。」
ということです。詳しく解説していきますので、イメージを膨らませながら読み進んでくださいね!
【選択①】メダカを飼うのは「中」か「外」か。
まず考えなければならないのは、「家の中」で飼うか「家の外」で飼うかということです。
🐡「家の中」を選んだあなた!
家の中で飼う最大のメリットは、「鑑賞しやすい。」ことでしょう。大きな水槽で飼うという方もいらっしゃいますが、もしかすると、
「小さなケースで飼いたい。」
「お気に入りの入れ物がある。」
という方もいらっしゃるのではないでしょうか。やはり、家の中で飼うということは、
「メダカをどのように魅せるか。」
ということを考える楽しさがあります!
しかし、おしゃれに飼うことのデメリットもあります。
・水の量が限られているので、定期的な水替えが必要。
・温度変化が激しいので注意。
というように、メダカの生活環境に対してしっかりと気を配る必要があります。
もちろん、お気に入りの容器に入れて見えるところで飼育するのですから、その分「お世話をしないと!」という気持ちにはなりますよね! 水替えを頻繁に行い、メダカにとって住みやすい環境を整えてあげましょう!
🐡「家の外」を選んだあなた。
家の外を選んだあなたは、きっと家の軒先やベランダ、玄関先などでメダカを飼おうとお考えだと思います。外で飼うことのメリットは、
「雨が降りこむようにしておけば、水替えの手間を省ける。」
ということがあります。
もちろん、「全く水替えが必要ない。」という訳ではありませんが、水量が少なく温度変化が激しい「家の中」よりは、回数を減らすことができるでしょう。
では、「家の外」でメダカを飼うことのデメリットは何でしょう。ずばり、
・目が行き届かない。
・動物注意。
ということです。やはり、「家の外」で飼うことによって「家の中」よりは気に掛ける回数が減るでしょう。その時に、猫や鳥などの動物に襲われることを回避してあげなければなりません。
また、「雨が降るから水替えいらず。」と油断していると、増えすぎた水があふれだしてメダカが旅へ出てしまう可能性も無きにしもあらずです。
もちろん、自分でメダカを飼うと決めたのですから、全く忘れてしまうことはないと思いますが、意識的に気にかけましょう!
【選択②】メダカを飼うために必要なものは何か。
では、早速「必要なもの」について説明します。とにかく思いつくものを書き出してみました。必要感の高いものを書きましたので、これで全てという訳ではありません。あなたがイメージしているメダカの飼い方と比較しながら検討してみてくださいね。
- 入れ物(水槽、プラスチックケース、鉢など)
- 水質調整剤
- フィルター
- 小さめの網
- 掃除用スポンジ
- 水替え用ポンプ
- 水温計
- 水槽用ヒーター
このように書き出してみました。しかし、ご自身の計画と照らし合わせ、必要なの野を買い足したり省いたりしてください。
少し詳しく解説していくと、
「1,2,3は、確実に準備しないと飼育が難しくなるもの。」
です! そして、より良い水槽環境を目指すのであれば、「底砂」をしいたり「溶岩石」を入れて、メダカの隠れ家を作ってあげると良いでしょう。また、「水草」を植えることもおすすめです。
「4,5,6は、主に『水換え』に必要なもの。」
ですね! 先にも述べたように室内はこまめな水替えが必須です。メダカの住む環境を整えるためにも準備をしておきましょう。意外と忘れがちなポイントですが、水槽のように水がたくさん入る容器でメダカを飼うと、
「水替えの時に移動ができなくなる。」
ということになりがちです。「水替え」のことを考えた上で、水槽の位置を選ぶようにしましょう!
「7,8は、『あると安心グッズ』です。」
やはり、水温変化の激しい室内なので、常に水温を計るための設備はあった方が良いでしょう。また、寒い地域にお住いの人は、冬場に水の温度が極端に下がる危険性があるかもしれません。適した温度である25°から28°に保つためにも「ヒーター」の導入をご検討ください。
「えぇい!面倒くさい!とにかく早く買いたいんじゃ!」というせっかちな方は、考えるよりも「メダカ飼育セット」を買うというのもありですね。
▶メダカにエサをあげよう!
メダカを飼う環境が整ったら、次はエサについて考えていきましょう。
言うまでもなくメダカは野生の魚ですので、基本的には雑食性でミジンコのような動物プランクトンやボウフラなどの小さな虫を食べています。また、藻類や植物プランクトンなども食べます。
「家の外」でスイレン鉢や池でメダカを飼う場合は、水の中に発生した藻類や虫などを食べるので、エサやりも時々で良いでしょう。しかし、「家の中」でメダカを飼う場合は、定期的にエサをあげる必要があります。
どのくらいが定期的なのかというと、結論。
「1日1回。食べきれる量。」
です。
ホームセンターなどでも手に入る「メダカのエサ」を飼育するメダカのサイズに合わせて購入してあげてください。当たり前ですが、メダカの口よりもエサのサイズが大きかったら食べられませんよね。また、基本的にメダカは水面のエサを食べます。
「水槽の下に沈んでしまうようなタイプのエサは不向きですし、水槽を汚す結果となってしまう」
ので注意してください!
▶メダカを飼うときの普段のお世話。
環境を整えてエサも準備し、いよいよ飼育が始まったのなら、あとは末永く生きてくれるよう日々のお世話をしていきましょう。
通常であればメダカの寿命は、1年ほどと言われていますが、2,3年生きることもあるということです。
具体的に何をするかですが、
・水槽の簡単掃除。
・3分の1水替え。
です。
ただし、これは、「家の中」で小さな入れ物でメダカを飼っている状態を想定しています。「家の外」であれば、上記にも書いたように水があふれていないか、他の動物に狙われてはいないかを注意して見てあげれば大丈夫です。
「家の中」では、やはり水質の劣化が早く進みます。もしも、コケなどがつきはじめたらこまめに「掃除用スポンジ」でとってあげましょう。また、何度も書きますが「水替え」がとても重要です。しかし、一度に大量の水を入れ替えると水質環境を大きく変化させてメダカへの負荷が大きくなるので、3分の1を目安としてこまめにかえることをおすすめします。
▶メダカを飼う時、してはいけないこと!
メダカだけではなく、ペットを飼うと様々な問題が生まれてくるでしょう。最大の問題は、
「飼育を続けられなった時。」
ですよね。
もちろん命を預かっているわけですから、簡単に諦めるようなことは許されません。しかし、何らかの事情でメダカを飼うことが難しくなった場合は、
「必ず、誰かに譲る。」
ということを心がけてください。絶対にしてはいけないことは、
「近くの川や池などに放流する。」
ということです。
上記にも書きましたが、ペットショップで売られているメダカは、多くの場合改良されています。そのようなメダカを自然に放ってしまうと、本来の生態系を崩してしまう危険性があります。最後まで責任をもって貰い手を探してあげてくださいね。

▶まとめ。
ここまで、「メダカの飼い方」についてまとめました。
繰り返しになりますが、メダカと人間は昔から共存してきた同士のような存在です。しかし、大きな環境の変化により、野生のメダカはレッドデータブックにも記載されるほど数が減少しているのが実情です。
野生で強いイメージがありますが、飼うのであれば人間の手助けが必要不可欠です。しっかりとメダカの飼い方をシュミレーションして準備をしましょう。そして、メダカとの日々を楽しんでくださいね!!
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