・なかなか自分から勉強をしてくれない。
・勉強に対するモチベーションが低い。
・もっと勉強を楽しんでほしいんだけど、どうしたらいいのか分からない。
こんなお悩みを相談されることがあります。
「勉強を楽しんでほしい。」という願いをおもちの親御さんにとっては、ざんねんとしか言いようがありませんが、ぼくたち人間は、
という特性があるのです。
しかし、勉強の楽しさは、「考えること」ですから、「考えることをさける」というぼくたちの生まれながらの特性は、「勉強向きではない」ともいえます。
とはいえ、「仕方がない」ですませては話が進みません。
そんな特性を理解した上で、「じゃあ、勉強好きにするにはどうすればよいのか?」について解説していきます。
ぜひとも、ご自身の勉強だと思って読んでみてくださいね。
子どもが「勉強」を嫌う理由とは。
さて、さいしょに確認しておきたいのは、「人間は好奇心の塊である」ということ。
すでに「勉強嫌い」を主張しているお子様も、きっと小さい頃は、「なんでなんで?」と様々なことに気づき、「知る」という喜びを味わってきたはずです。
しかし、いつの間にか「勉強って嫌い!」と言い始めてしまう。
実は、この「嫌い」の中身を理解することが大切なのです。
「嫌い」の理由は、様々だとは思いますが、その根底にあるのは、
という気持ちではないでしょうか。
もっと具体的な例をあげると、
「漢字テストには好んで取り組むが、『あなたの考えを書きましょう』という問題には消極的。」
なんてことはありませんか?
ここに「勉強嫌い」がひそんでいます。
結論を言うと、
「漢字テストは、『記憶』を頼りにするものだから取り組みやすいが、『自分の考えを書く』という課題には、ハードルの高さを感じてしまう。」
という意識が働きます。
実は、「考えることをめんどうに感じる」ということは、脳が「いざ!」という時にそなえる生きるための作戦であり、今さらどうすることもできません。
もちろん、「考えること」に対してリスク上等で飛びこんでいく特攻隊長もいるのですが、少数派です。
ほとんどの人は、「見通しがもてないこと」に対しては「不安」になり、「記憶で解決できるもの」に対しては「安心」して取り組むことができるのです。
なぜ、子どもは「考えること」をさけてしまうのか。
ここまで、「ぼくたちは、考えることをさける特性がある」と書いてきましたが、その「さける理由」もはっきりとさせておきましょう。
その理由として、3つあります。
①時間がかかる
②大変
③見通しがもてない
これらが、「考えることをさける3大理由」なのです。
それでは、くわしく見ていきましょう。
【考えることを避ける理由①】「考えること」は時間がかかる。
「さける理由」の1つ目として、「時間がかかる」ということがあげられます。
例えば、あなたが学校の教室へ入ったところを想像してください。
きっと、あなたの目からは、「教室全体の様子」が見えて、耳からは、「にぎやかな話し声」が聞こえてくるでしょう。
実は、この「一度にたくさんの情報を取り入れる」というこころみは、とてもむずかしいのです。
試しに、「1つずつ考えていく」方法をとってみましょう。
(教室へ入って)
「あぁ、机が並んでいるな。その周りにたくさんの人がいる。男の子かな?もしかしたらあの中に友達の・・・。」
こんな感じで1つずつ考えていくと、とても時間がかかりますよね。
しかし、僕たちは目や耳から一気に情報を取りこんで、その場の状況を一気につかむことができるのです。
そんなレベルの高いことをいとも簡単にこなしてしまうぼくたちにとって、やはり「考えること」が必要となる「勉強」というのは、とても「時間のかかること」なのです。
【考えることを避ける理由②】「考えること」は、とにかく大変。
2つ目は、「大変である」という理由です。
考える上でとても大切になってくる力は、なんといっても、
「集中力」
ですよね。
深くじっくりと考えるためには、やはり「集中する」という準備は欠かせません。
しかし、「集中すること」にもデメリットがあります。
それは、「考え始めたら他のことはできない」ということ。
あなたも「考えごとをしているときに話しかけられ、その内容が全然理解できていない」なんて経験があるでしょう。
このような経験からも分かるように、「考えること」というのは、「集中すること」が必要であり、「集中する」ということは、「周囲への注意力をなくす」ということでもあるのです。
このように考えると、「考えること」がどれだけ大変なことかが分かりますよね。
【考えることをさける理由③】「考えること」は見通しがもてない。
3つ目の理由も、なかなか考えさせられます。
きっと「まちがえることを嫌う子どもたち」が「考えること」をさける理由は、この「見通しがもてない」ということがかかわっているかもしれません。
簡単に言うと、
ということ。
がんばって考えたのに、結果、「まちがっていました。」なんて結果に行きつくことだってありますよね。
「勉強の楽しさ」をつきつめていくと、この「まちがいを認めて次につなげることこそが学び」なのですが、子どもたちからしてみれば「がんばって考えて、まちがえるなんでたまったもんじゃない!」でしょう。
「だったら、最初から答えが知りたいよ!」と思ってしまうのは、仕方がない部分もあります。
このように、「考えること」と言うのは、「見通しがもてない」という特徴があるため、「なるべくさけよう」という判断が生まれてしまうのです。
子どもの「勉強嫌い」を解決する方法とは。
ここで、覚えておいてほしいキーワードをご紹介します。
それは、
ということ。
「勉強は嫌いだけど、クイズを出すと答えたがる」というのは”あるある”ですよね。
「考えること」をなるべくさけようとする子どもにとって「クイズを、思わず考えてしまう」のは不自然な状態ですよね。
このような不自然な状態こそ人間のもつ好奇心。
「考えれば解けるかも!」という意識が働いているからこそ、「考える」ことをさけずにいるのです。
これが、子どもの「勉強嫌い」を解決するヒント。
くり返しになりますが、
「人間は『考えること』には、積極的になれないけれど、好奇心はもち合わせている。」
のです。
この「好奇心」を刺激してあげることを心がけることで、子どもの「勉強嫌い」を解決することができるのです。どれだけ「勉強なんて嫌い!」といっていたとしても「知りたい!」という好奇心は残っています。だからこそ、
という気持ちがあるのです。
このような気持ちを忘れることなく、「勉強」に対して少しずつ進んで取り組めるようにするために大切なのは、
「難易度」
の設定です。
もっと具体的にいうと、
というむずかしさに問題レベルを調節するのが「勉強嫌い!」解決のポイントです。
「勉強嫌いなんだから、簡単に解ける問題にした方がいいんじゃない?」
という考えもあると思いますが、
ということが分かっています。
しかし、最初から「むずかしい。」という気持ちを抱かせてしまうと「考える」ところまでたどりつくことなく止まってしまうでしょう。
あくまでも、「ちょうどいい問題」を解きながら自信をつけていくことが大切なのです。

まとめ。
本記事では、「勉強嫌いを解決するには、『解けるかも!』という気持ちが大切!」という内容をまとめました。
言葉では、「勉強なんて嫌い!」といっている子どもも、きっと、心の奥底では「新しいことを知りたい!」という好奇心がかくれているのです。
ぜひとも、本記事の内容をこつこつと積み上げ、「勉強嫌い」をのりこえられるようサポートしてあげてくださいね。
📘参考文献 #教師の勝算

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