あなたのお子さんのクラスでも、日直のスピーチが日々繰り広げられているのではないでしょうか。
教師が、スピーチを激押ししてくる気持ちとは裏腹に、子どもたちの間では、スピーチをあまり歓迎しないムードがあります。
その理由は明白で、「みんなの前で話すなんて緊張して無理。」という理由が多くの子どもたちから聞かれます。
本記事では、そもそも「人前でスピーチをするときになぜ緊張するのか。」についてまとめました。また、「緊張感への対処法」にも触れていますので、ぜひとも、スピーチをひかえたお子さんにアドバイスしてあげてくださいね。

「緊張するスピーチ」と「緊張しないスピーチ」の違いとは。
ちなみに、あなたは過去に何度「スピーチ」をしたことがあるでしょうか。
「スピーチ」とまではいかなくても、授業中に手を挙げて発言をしたり、夏休みの自由研究を発表したりしたこともあるでしょう。
その経験を思い出したときに、
「緊張感に違いがある。」
ということに気付くと思います。
実は、単に「スピーチ」と言っても、「緊張するスピーチ」と「緊張しないスピーチ」があるのです。
では、「なぜ、スピーチによって緊張感に違いが出るのか。」についてざっくり解説をしていきます。
きっと、回数をこなせばこなすほど緊張感は和らぐでしょうし、聞き手が家族のような気心知れた集団であればスピーチに臨む気持ちも楽でしょう。
まずは、話題をしぼって、「人数」に焦点化して考えていきたいと思います。あなたもお気づきの通り、僕たちは「個人」よりも「集団」に対して「緊張感」を抱きます。
きっと、あなたのお子さんも「先生」と一対一であれば、恐る恐るであっても話ができるのではないでしょうか。しかし、クラスの前に立ってスピーチをするというのは躊躇する場合もあるでしょう。
なぜそのような事態が生じるのかというと、ずばり、
「心の安定を保とうとしている。」
という理由があるのです!
もう少し詳しく言うと、
「思い通りにいかなかった際のリカバリー難易度の違い。」
と言ってもいいでしょう。
もう少し詳しい解説を、次の章で書いていきますね。

「心の安定」をはかる仕組みとは。
さて、想像しながら読み進めてほしいのですが、「あなたのスピーチがどれほどのものだったか。」をあなたは、どのように判断するでしょうか。
もちろん、「自分自身での評価」もありますが、評価軸の1つとして「他者のリアクション」というのも気になるところですよね。
例えば、「先生」との一対一で先生のリアクションがかんばしくなかったらどうでしょう。
「あの先生、全然分かってないわ~。」
と、軽くぼやいてバッティングセンターにでも出向けば気が晴れるのではないでしょうか。
しかし、クラス35人の前でスピーチをしてリアクションが今一つであれば事情は変わってきます。
「あのクラス、全然分かってないわ~。」
と、ぼやきたいところですが、向こう側の方が圧倒的多数の場合、スピーチをした側にも、
「あれっ、こっち側の原因か。」
と、若干の違和感が生まれるかもしれません。
このような人間の特性をまとめると、
「思うようにいかなかったとき、人間はもっともらしい理由で自分の心理的安定性を保とうとする生き物である。そして、その安定性は、相手が少人数の方が容易に守られる。」
ということが言えるのです。
だからこそ、「一対一」のスピーチよりも、「集団」を相手にした方スピーチの方が緊張度が高まってしまうのです。
「緊張感」を「力」に変える方法とは。
ここまで、「緊張感は、聞き手の人数による。」という内容を書いてきました。
さらに、理由を付け足すとすれば、
「ちゃんとやりたい!」
という自分の中の向上心が、緊張感の原因になっていることもあるでしょう。
「はっ?スピーチ?関係ないね。」
くらいのメンタリティ―でいれば、きっとそれほどの緊張感は生まれないでしょう。
しかし、みんながみんな「関係ないね精神」をもつことはできません。
となると、「緊張感」の高まりを何とか抑えるには、
「『場数』」や『経験』による圧倒的な慣れ。」
という方法が考えられます。
しかし、最初から「慣れ」をねらうことはできません。そのようなお子さんは、
「安心できるまで『練習』を積み重ねる。」
という、「圧倒的な努力量」というかなりのスパルタ理論におちつきます。
そもそも、スパルタなことを言うと、
「緊張を抑えようとしてはいけない。」
ということもよく知られていますよね。
シロクマ理論のように、「気を散らそうとすると、余計に気になっていまう。」というやっかいな特性が僕たちにはあります。
ここで記事を終わりにしてしまうと、「対処法=努力」という何とも一部の人にしか実行できない内容のまま終わってしまうので、とっておきの方法を最後にご紹介します。
それは、
「いさぎよく、『僕は緊張しています!』と認める。」
という方法です。
もはや、無駄にじたばたしない。緊張している自分を認めてあげるのが一番なのです。
「いや、それじゃ。何の解決にもならないじゃないか。」という方向けに、もう一段レベルアップした緊張感への対処法をご紹介しましょう。
それは、
「今、まさに僕は『わくわく』しているんだ!」
と、「ドキドキ」を「わくわく」に意味チェンジする方法です!!
実は、「ドキドキ」と「わくわく」は、それほど遠い感情ではありません。しかし、僕たちは何となく「緊張したいくない。」と思ってしまっていますよね。
そして、「緊張感」に抗ってしまったことにより、「体に余計な力が入ってしまい、普段通りの実力が出せない。」なんてことがよくあります。
サッカーワールドカップのPK戦のようなもので、世界のトップアスリートでも絶対的有利な状況を生かせないのは、この「ドキドキ」が関係しているに違いありません。
しかし、「ドキドキ」を「わくわく」に意味チェンジすることにより、「緊張感をより前向きな力として捉え直すことができる。」のです。
子どもさんが、明日に控えたスピーチにおびえているようであれば、
「その『ドキドキ』って実は、『わくわく』と同じなんだよ。ということは、あなたは、明日のスピーチをとっても楽しみにしているんだね!」
と、声をかけてあげることが、スピーチの成功につながるのです!!

まとめ。
本記事では、「スピーチで緊張する理由とその対処法。」についてまとめました。
ちなみに、「緊張する」という状態は、それほど悪いことではありません。
人間は、「初挑戦」のような見通しがもてないことに対しては「恐れ」や「不安」、「心配」というネガティブ感情を抱くことが知られています。
しかし、裏を返せば、
「『不安』や『心配』な気持ちを抱くということは、チャレンジしている証拠。」
とも言えるのです。
そして、この「不安」や「心配」を乗り越えた先に、「成長」があるのです!
ぜひとも、お子さんがチャレンジできるよう背中を押してあげてくださいね!
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