春は、大きな環境の変化がある特別な季節。特に、小学校へ入学する子どもがいる親御さんにとってみれば、より特別感があるでしょう。小学校入学が、初めての子どもさんであれば、様々なお悩みがあるでしょう。
・小学校生活に見通しがもてないから、親としても不安。
・楽しい学校生活にしてほしいけれど、どんなサポートができるのかな。
・小学校入学に向けて準備をしておきたいけれど、何をしたらよいのか分からない。
本記事では、このようなお悩みを解決するための内容をまとめました。
結論を言ってしまえば、「子どもの困り感に寄り添って話を聴いてあげること」が大切であり、「子どもの困り感を全て解決してあげないといけない」というものではありません。
小学校という環境は、「様々な価値観がもった子どもたちが集まっている」ということに価値があり、ときに”気持ちのすれ違い”が起きますが、そのような経験にこそ価値があるからです。
「教師」として、そして3児の「パパ」として、「学校」と「家庭」の両面から、親御さんにぜひとも知っておいてほしい「子どものサポート方法」を解説していきますので、参考にしてみてください。
小学校に入学する子どものいる親御さんが知っておきたい5つのサポート方法
これまで小学校の現場で数千人の子どもたちと関わってきましたが、「小学校での様子と家庭環境がリンクしている」というのは、紛れもない事実です。
「家庭環境」をさらに具体化すると、「親御さんとの関係」という要因は外すことはできません。
だからこそ、「子どもに小学校生活を楽しんでほしい!」という願いをもつのであれば、「できる限り親御さんのメンタルを安定させる」ということは、必要不可欠なのです。
そこで、結果的に子どもたちのサポートとなる5つの方法をご紹介します。
✅全ての基本「とにかく話を聴こう!」
✅引き出す時は「プラス表現で問いかけよう!」
✅継続が大事「雑談を習慣化しよう!」
✅過程を承認「とにかく褒めよう!」
✅安定が大切「とにかくどっしり構えよう!」
【サポート方法①】全ての基本「とにかく話を聴こう!」

小学校に入学した子どもたちは、「とにかく話を聴いてほしい!」という気持ちでいっぱいです。家に帰って来くると「ねえねえママ、あのね!」と様々なことを話をしてくれるでしょう。
ここで、大切なのは、
「『学校であった出来事を聴いてほしい!』という気持ちを絶やしてはいけない!」
ということです。
しかし、我が家のような共働き家庭では、「子どもの話をゆっくりと聴く時間がない!」なんてこともありますよね。そんなときは、相槌だけでもがんばりましょう!
「うんうん。」
「すごい!」
「それで?」
家事をしながらでも大丈夫です。ここで大切なのは、
「話を聴いてもらえた!」
という子どもの満足感なのですから。
「目をみて傾聴」とまではいかなくても、「ママとパパは、話を聴いてくれる。」と安心感を抱いてもらうことが何よりも大切です。
そして、この安心感の積み重ねは、その日だけでは終わりません。6年間という長い長い小学校生活の中で、この「安心感」こそ、子どもの活躍の支えとなるのです。
親御さんからいただくご相談の1つとして、
という話題は、本当にたくさんの親御さんが抱いているようです。
もちろん、子どもさんが自信が「よく話すタイプ」なのかどうかという前提はありますが、「学校の話をしなくなってしまう」要因の1つは、
という経験の積み重ねが大きいのです。
もっと具体的に言うと、「低学年のときに子どもの話を十分に引き出せなかった」ことが要因の1つです。
「自分から進んで話すタイプではない。」というお子さんの場合でも、待っていてはいけません。こちらから話を引き出してあげましょう。
そうすることで、「自分が話をすることでママとパパが喜んでくれる。」という前向きなイメージをもつことにつながるのです。
【サポート方法②】引き出すときは「プラス表現で問いかけよう!」

さて、子どもから学校生活情報を引き出す時の声かけですが、言葉選びが本当に重要です。おすすめはできないけれど、やりがちになってしまう表現が、
「何か、心配事はない?」
という問いかけです。
この問いかけの何が問題なのかと言うと、とっても素直な子どもたちは、
「心配事探し。」
をしてしまうことにあります。
親御さんから「心配事」を聞かれたことのより、今まですっかり忘れているような「そんなに気にしていなかったこと」を無理やり引き合いに出してきて、
「あのね、こんなことがあったんだけど・・・(そんな大したことないけどね)。」
と心配事をつくり出してしまうのです。
きっと、このような子どもさんの報告を聞いた親御さんは、子どもの心配事の背景を知らないこともあり、「うちの子は、学校で困っているんだ。」と心配な気持ちを深めてしまうでしょう。
このように「心配事」を大きくしないためにも、子どもさんへの問いかけは、
というようにプラスの表現で聞きましょう!
さらに、毎日継続して聴き続けることも大切です。毎日同じ質問でも構いません。
「今日は、どんな楽しいことがあったの?」
と聴き続けると子どもさんは、「きっと今日も聞かれるだろう。」と思いますよね。
そう思ってもらえることにより、いつもの学校生活の中から、「楽しいことを探そう!」というモチベーションにつながるのです。
そして、「これをママやパパに伝えたい!」と楽しいことを意識して帰ってきます。常に楽しいことや嬉しいことを発見しようという思いで過ごせるようになるのです!
🔽小学校生活の中で、子どもさんの「強み」が感じられたら、こちら。

【サポート方法③】継続が大事「雑談を習慣化しよう!」

話を聴き、承認するサイクルができたら、次に意識するのは、
「習慣化すること。」
が大切です。
「学校から帰って来たら、ママやパパに学校生活での楽しいことを報告する。」という行動の習慣化を目指しましょう。
自然と子どもさんとと親御さんの間に雑談する関係ができてくると長期的に見てもメリットがあります。
小学校高学年になり、思春期と呼ばれる年代になると、人間関係のもつれ、学習に対する苦手意識、自分と他者の比較から生まれる劣等感などなど、学校生活の中で様々な困り感が生まれます。
さらに、この年代になると、親御さんも子どもさんが抱えている困り感に気付くことや、話を聴くことが難しくなります。しかし、雑談の習慣化が浸透していれば、心のもやもやを打ち明けてくれる可能性が高くなります。
もちろん自分の子どもでも全てを話してくれるとは限りません。しかし、大切なのは雑談が習慣化していることにより、親御さんサイドから「最近どうよ?」と気軽に切り込める関係性が整っていることなのです。
【サポート方法④】過程を承認「とにかく褒めよう!」

小学校生活を充実させるためにできることの4つ目として大切なのは、
「褒める。」
ということです。
これは、説明するまでもありませんが、子どもは、「大好きなママとパパに褒めてもらいたい!」という気持ちが、前向きに取り組む原動力となります。
ここで、心がけたいことは、努力した過程を褒めるということです。
✅一文字ずつ丁寧に書けているね。とっても読みやすい字だよ。
✅上手に読めたね。たくさん練習したから上手に読めたんだね。
✅すごい!縄跳び上達したね。毎日1時間も練習したからだね。
というように、子どもが頑張った「過程」を具体的に褒めてあげましょう。間違った褒め方は、
というように、「結果」を褒めてしまうことです。
結果を褒められ続けると、素直な子どもたちは、
「結果を出さないと褒めてもらえない。」
という考え方になってしまいます。
100点が取れなかったとしても、そのテストに向かって子どもなりに努力したのであれば、その過程は必ず次につながります。
しかし、100点を取ることが目的となるような褒め方をしてしまうと、子どもたちに余計な心理的負担を与えてしまい、「100点じゃないと価値がない。」という間違った見方を育ててしまう可能性があるのです。
🔽子どもの効果的な「褒め方」についてもっと知りたい方は、こちら。

【サポート方法➄】家庭の安定「とにかくどっしり構えよう!」

最後に、子どもを安定した学校生活を送る手立てとなるためには、
「家庭をリラックスして自分を出せる場として安定させる。」
必要があります。
やはり、子どもさんにとって必要なのは、
「子どもが、安心して心を許せる場所が家庭である。」
というホーム感ですよね。
親御さんからも、
「学校と家では、全然態度が違うんです。」
と言われますが、これこそ、子どもが「社会性を発揮している」からに違いありません。
当たり前ですが、小学校には、様々な価値感の子どもや先生がいます。自分と違う価値観をもった人との触れ合いの中で、「人間力」を磨いているのです。
きっと、楽しいことばかりではありません。辛いことや悲しい経験もするでしょう。しかし、子どもはたくましく乗り越えていきます。
そんな「社会」とのつながりの中で消耗した心を癒すことができる場所こそが、「家庭」なのです。
子どもさんが心身共に疲れたとき、
「何でも受け止めてもらえる。」
という大きな安心感に包まれた家庭があるという環境で育つ子どもさんは、学校生活も充実することでしょう。
🔽「人見知り」、「引っ込み思案」のような「内向型」でお悩みであれば、こちら。

まとめ
本記事では、小学校に入学する子どもさんの「小学校生活の充実をサポートする5つの方法」を解説しました。
人間はだれしも、見通しをもてない状況に不安を感じます。きっと、「小学校入学」というのは、子どもさんだけでなく、親御さんにとってみても、不安な部分もあるのではないでしょうか。
もちろん、「様々な価値観の子どもたちが集まる集団」ですから、楽しいことだけではないかもしれません。しかし、子どもは、子どもなりの関わりの中で成長していきます。
小学校入学時は、心配だらけだったとしても、数年経てば、子どもさんの予想以上の成長に驚くことでしょう。そんな日々のためにも、親御さん自身が本記事で紹介した”5つの関わり方”を意識してサポートしてあげてくださいね。
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