デジタル化が進んだ現代でも、「自己理解ツール」として、「日記」を書いている人は多いですよね。
もちろん、「書く」ということは、様々なよい効果があることが知られています。
しかし、意外と知られていない事実として、
ということ。
✅「日記」って、そもそも何を書けばいいの?
✅「日記」を「毎日書く」って大変そう。
✅せっかく「日記」を書くなら、「自分の成長」につなげたい!
本記事では、このようなお悩みを解決します。
この記事を読んで、「日記」を「自己理解」につなげ、「より充実した人生」をつかむきっかけとなりましたら幸いです。
知っておきたい!「日記」のメリットとデメリット。
最初に、前提を確認しておきましょう。
広く知られているように、「書くこと」には、たくさんのメリットがあります。
しかし、勘違いされがちなのは、
「日記を書くと、『自己理解』につながる。」
というもの。
組織心理学者のターシャ・ユーリックさんの研究によれば、
ということが分かっているのです。
さらに、
とも主張しています。
ユーリックさんの研究から分かったことをまとめると、
「日記というツールを使って必要以上に『自分をふり返りすぎる』ことにより、『より大きな不安』につながりやすく、『他者から見た自分』というようなインサイトも見逃してしまう。」
といえるでしょう。
もちろん、「日記は意味がない。」と言っている訳ではありません。
むしろ、「日記を書く」ということは、「人生の戦略を立てる」ために必要不可欠なツールです。
そんな「日記」を正しく使いこなすためには、
必要があるのです。

本当に効果的な「日記」の書き方とは。
では、効果的な「日記」の書き方を2つ紹介します。ずばり、
✅自分に「影響を与えた出来事」について「深く」書く。
✅ネガティブは「じっくり」、ポジティブは「あっさり」書く。
という2つのポイントを意識することが大切なのです。
詳しく見ていきましょう。
✅自分に影響を与えた出来事について「深く」書く。
「日記」の内容については、まったく「決まり」はありません。
「自分の気持ちを自由に書くこと」が「日記」のよさですものね。
しかし、「日記」の効果を最大限発揮したいのであれば、「内容」についてもこだわりましょう。
それが、
ということです。
「でも、深いってどんなことを書けばいいの?」
という疑問に対する「答え」ですが、ずばり、
「その出来事に対して『考えたこと』や『感じたこと』を書く。」
ということを「深い」とさせてください。
小学校でも作文指導のときに、「出来事を順番に並べて書くのはおすすめできないよ。」と教えます。「最初に〇〇をして、次に〇〇。最後に・・・。」という文章は、単なる「報告文」になってしまいますからね。
「日記」の素晴らしさは、「自己理解につながる」ということですから、やはり「自分が考えたこと」や「自分が感じた感情」について書いていくことが効果的なのです。
もちろん、「ネガティブな出来事についてあえて思い出して書く」ということに抵抗を覚える人もいるでしょう。
しかし、「日記上級者」は知っているはず。
ということを。
思い出して書いているときは、「悲しい」とか「辛い」という気持ちがよみがえってきたとしても、「長期的に見れば、気分の安定をもたらしてくれる」のです。
心理学者のジェームズ・ペネベーカーさんの研究によれば、
ということが分かっています。
やはり、「日記」というのは「自分の人生をよりよくする」ための優秀なツールなのです!
✅「ネガティブ」は「じっくり」、「ポジティブ」は「あっさり」書く。
さて、2つ目のポイントを見ていきましょう。
ちなみに、あたなは「ネガティブ」と「ポジティブ」のどちらに引き付けられるタイプでしょうか。
🔽ご自身の「思考パターン」を知りたい方はこちら👇

きっと、しばらく「日記」を書き続けると、こんな「思考癖」にも気付くはず。
そこで、気を付けてほしいのが、
「『ネガティブ』と『ポジティブ』の記述に軽重をつける。」
ということ。
では、その理由についても見ていきましょう。
ある実験をご紹介します。
実験の参加者に、「一番幸せだった出来事について8分かけて書く」という取り組みを、「3日間」やってもらいました。その実験を行うにあたり、それぞれの参加者に次のような指示を出したのです。
Aグループ:「その出来事をよりくわしく分析的に書いてください。」
Bグループ:「その出来事を自由にのびのびとふり返ってください。」
すると、結果が大きく変わってきました。
なんと、
というのです。
ここから分かったことは、
ということなのです。
しかし、「ネガティブな出来事」は違います。
別記事にも書きましたが、「ネガティブ」というのは、決して悪いことばかりではないのです。
気は進みませんが、
のです。
⭐「ネガティブ」と向き合うときの正しい対処法。
できれば目をそらしてしまいたい「ネガティブ」。しかし、次のポイントを意識することで、「ネガティブを成長につなげる」ことができるようになるはずです。
✅「なぜ?」と「自分」を追い込まない。
✅「ネガティブ感情」をとりあえず受け入れる。
次は、この「2つのポイントの大切さ」について書いていきますね。
✅「なぜ?」と「自分」を追い込まないこと。
本記事の最初でもふれましたが、「日記」を書くということは、ある意味諸刃の剣。
「デメリット」もあることを忘れてはいけません。それが、
ということなのです。
ターシャ・ユーリックさんの「『内省』と『幸福度』の関係」を調べた研究をご紹介します。
当初、ユーリックさんは、「自分自身について深く考えようとしている『内省』レベルの高い人ほど、『幸福度』が高い」と考えていました。
しかし、結果は真逆。
なんと、
「『内省』レベルの高い人ほど、ストレスを感じたり、落ち込んだり、不安を感じていて、仕事や人間関係への満足度が低く、自己陶酔的で、自分の人生のコントロール感がないと感じていた。」
というのです!!
調査した本人のびっくりの結果になったのですが、ここにかかわってくるのが、
「『なぜ?』思考」
というように、「なぜなぜ?」と「自分」を追い込むと、とたんに「幸福度だだ下がり」という結果におちいってしまうのです。
「ネガティブ」なときほど冷静になるのは難しいものですが、ちょっと考えれば分かるはず。
ということに。
何事にも真摯に向き合っている人ほど、「自分がもたらした結果」について真剣に考えがちですが、「考えても答えがないこともある」ことは、忘れてはいけません。
おすすめなのは、
「『なぜ?』ではなく『どんな?』思考!」
です!!
というように、「自分」の「感情」に目を向けることで、
というような「自己理解」方向へ進むことができ、この気づきは、大変役立つものです。
「なぜ?」と「自分」を責めるのではなく、「どんな?」と問いかけ、「自分の感情の変化」に着目して「自分自身への気づき」を深めていきましょう。
✅「ネガティブ感情」をとりあえず受け入れること。
2つ目のポイントは、「ネガティブ感情受け入れること」です。
突然ですが、「シロクマ理論」というのはご存じでしょうか。
「シロクマについて絶対に考えないでくださいね!」と言われると、とたんに「シロクマのことしか考えられなくなっていしまう」というもの。
人間は、「考えないようにしよう!」と思ったら、もうその時点で負けなのです。
それは、「ネガティブ感情」も同じ。
心にもやもやがあったとして、「よし!もう考えるのはやめ!」と決めたとしても、知らず知らずのうちに思考にのぼってきて、いつしかもんもんとしてしまうなんてことありますよね。
だからこそ、「ネガティブ感情は、受け止めて経験値にする」ということがおすすめです。
そこでおすすめなのは、
「ネガティブな経験」を、「意味のある経験」と意味を置き換えてしまう方法です。
そう、「リフレーミング」ともいわれますが、例えば、「思い通りの結果が出なかった。」という「ネガティブ」を、
というように「ポジティブな出来事」として「意味チェン」して書くことが効果的なのです!
繰り返しになりますが、受け入れがたい「ネガティブ」を見て見ぬふりするという方法は、余計にストレスとなります。
もはや、「ネガティブこそ成長だ!」という大らかな気持ちで受け入れ、自分の人生の経験値として活かしてしまおうではありませんか!!

「日記」について知っておきたい意外な事実。
ここまで、「日記」をおすすめしてきましたが、きっと多くの方が思うこととして、
「日記を毎日書くと決めても、続く気がしない。」
という問題があるでしょう。
しかし、「毎日書く自信がない」方に朗報です。
心理学者のジェームズ・ペネベーカーさんらの調査では、
「『日記』の効果を最大限高めるには、毎日書かないことが最善である。」
ということが分かっているのです。
また、
と述べています。
確かに、一旦受け止めて次に向かう決心をした過去の「ネガティブ」に対して、何度も思い出す必要性は、あまり感じませんよね。しかし、
と主張しています。
ということは、「日記」というツールを定期的に用いて、
✅「過去の自分と比べたら、どれだけ前進したのか。」
✅「『今』の自分は何を考えていて、『過去』の自分とどのような違いがあるのか。」
というように、「自己理解」を深める手立てとすることが、「日記」の効果を発揮することになるのです。
「どうしても三日坊主になってしまう。」という人も、
とか、
くらいの、フランクな約束を自分としておくとよいかもしれません。
きっと、その書き留めておいた「日記」が未来の自分の喜びに変わるはずです。
まとめ。
本記事では、「『日記』の効果を最大限引き出す正しい書き方」についてまとめました。
やはり、「書くこと」は、「自分自身をふり返る」きっかけとなります。
しかし、その「書き方」や「方向性」も大切で、ただやみくもに書きなぐるということは、おすすめできません。
ぜひ、「日記」というツールの効果を最大限に発揮し、「自己成長」につなげてくださいね。
🔽「ネガティブに打ち勝ちたい!」という方は、「レジリエンス」を意識してみましょう!

📕<参考文献>「insight」
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