
「なぜ、勉強しないといけないの?」
あなたは、このような子どもの純粋な質問に対してどのように答えますか。
さらっと華麗に大人らしく、対応できる答えをもっているでしょうか。
教師として、十数年間働いてきましたが、このようなピンチに幾度となく遭遇しました。
「先生、学校って来ないといけないんですか?」
「先生、人にやさしくしなさいって言うけど、何か意味あるんですか。」
「先生、学校の先生って本当に必要なんですか。」
どれも、実際に聞かれ、準備不足の僕は、窮地に陥りました。
しかし、当時の僕は、
「何でだろうね。あなたはどう思う?」
なんて切り返す余裕もなく、ただただうろたえるばかり。
教師として「最大のチャンス」を棒にふってしまったのです。
余談ですが、「先生が必要かどうか。」という質問は、学級会の議題にまで上り詰めました。
結果は、
「ぎりぎり必要。」
という結果となりましたが、今思い返してみれば、子どもたちの発想はおもしろいなぁと思います。
若かりし頃の僕もそうでしたが、上記のような疑問は、大人として歓迎しなくてはなりません。
世間が「普通」、「当たり前」と思いがちなところを鋭くつくような素晴らしい見方・考え方をもったお子さんだからです。
教師を含め、大人としてそのような疑問に対しては、持論を押し付け、決まりきった答えに力技で引っ張っていくのではなく、「あなたはどう考えるのか。」を十分に尊重すべきだと思うのです。
「様々な人が、いろんな考え方をしている。」
ことを伝えてあげることも、子どもの柔軟な思考を伸ばすよりよい方法ですよね!
そこで、本記事では、大人でも戸惑うような質問、確かな答えがあるとも言えないような子どもの疑問に対して、思考を柔軟に広げることができる「役立ち本」を紹介します。
ぜひとも、大人が様々な見方・考え方をもち、子どもの可能性を広げられるようなアドバイスをしてあげましょう!
📕子どもに教えるなら、子どもの10倍の知識が必要と言わています。
「そんなこと言っても時間がない。」という先生方のための、おすすめインプット方法がこちら!! まずは、1か月コースでおためしから!
子どもの「考え方」を広げる、「お役立ち本」5選。
①「本当の『頭のよさ』ってなんだろう。著:齋藤 孝 (誠文堂新光社)
「先生、〇〇くんが、僕のテストを見て『ばか』って言った。」
というようなことがあった際、大活躍した本です。
「テストの点が低い人のことを『ばか』っていうのかな。みんなはどう思う?」
と、学級全体に問いかけ、「ばか」について真剣に話合いました。そのときに僕の強い味方となってくれたのがこの本です。
「頭がいい」ということは、どういうことなのか。「ばか」の反対言葉として使われがちですが、「本当の頭のよさ」についてみんなで考える際の1つのヒントを提供してくれる本です。内容も子どもたちが読めるよう工夫されているので、学級文庫としても活躍すること間違いなしです!
② 漫画「君たちはどう生きるか」原作:吉野 源三郎 (マガジンハウス)
これはお馴染みの歴史的名著ですよね。
現代の子どもたちにも違和感なく受け入れられ、本気で考えることができる一冊です。
敢えて漫画を紹介したのは、子どもたちにも好意的に受け入れてもらえるからです。事実、この本を紹介し、友達関係について考える授業を実践したのですが、本屋へ殺到する子どもたちの姿が見られました。
今まで、何冊も紹介してきましたが、子どもたちが
「心から読みたい。」
と、思ってくれる一冊になったことは、言うまでもありません。
③「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています」著:小林 昌平(文響社)
悩むことが得意技とも言える僕は、
「僕の悩みなんて誰も理解してくれないんだ!」
と、ついつい自暴自棄になったり、悩んでいる自分に酔ってしまったりします。みなさんは、そんな経験ないですか。そうですね。僕だけですね。
しかし、そんな自暴自棄フェチだった僕も、この本を読んで人生観が変わりました。実は、
「人間の悩み何て既に悩み尽くされていて、全ての悩みには答えが出されている。」
ということを分からせてくれた素晴らしい本です。
いい大人である僕でさえ、悩みに囚われてしまうのですから、か弱い子どももきっとそうでしょう。
友達関係、勉強、周囲との比較等々、様々な悩みに囚われて身動きが取れなくなってしまうかもしれません。
そんな時に、「過去の偉人たちも同じような悩みを抱えていた。」という事実は、励みになるのではないでしょうか。
しかも、明確な答えも出してくれているのです。
むしろ、これらの事実を知らずに悩んでいたことを、後悔したが良いでしょう。
④「死ぬこと以外かすり傷」 著:箕輪 厚介 (マガジンハウス)
完全に僕の趣味になってしまいました。申し訳ありません。
やっぱり、こういう生き方に憧れてしまうのです。
そして、弱弱しい子ども時代を過ごしたからこそ、自分が教えている子ども、そして我が子には、
「1分1秒足りとも無駄な時間を過ごしてほしくない!」
と、思ってしまうのです。教師として働く僕は、蓑輪さんのような派手で刺激的な毎日を送ることはできません。しかし、大切なのは、
「職業とか境遇ではなく、どれだけ自己実現する過程を楽しむか。」
が、人生の満足感を左右するのだと、この本を読んで学びました。
思えば、この本を読んだことで、子どもたちに対する接し方やアドバイスの仕方も変わってきたと思います。
何よりも、こうやって抑えきれない気持ちをブログで発散するような思考になれたのもこの本との出会いです。直接子どもが読むには向かないと思いますが、人生を100%の力を出し切って楽しもうとしている大人に関わってもらえる子どもの人生が楽しくならないはずがありません。
ぜひ、読んで、マインドセットしてみてはどうでしょうか!
▶⑤「自分の中に毒を持て」 著:岡本 太郎 (青春出版社)
箕輪さんの本を紹介した時点で薄々気付いた方もいるのではないでしょうか。
そうです。僕もこれを読んだ人間です!
様々な有識者がご紹介されているので、僕ごときが新たに紹介する必要はないと思いますが、ただ、一言でいうと、
「この本と出合えて良かった。」
に尽きます。教師という職業に就いている方は、自分の教育観を見直さぜるを得なくなること間違いなしです!
この本を読むか読まないかで、目の前の子どもたちに本当の「教育」ができるかできないかを左右するとまで、僕は考えています。
思考停止した従来の教師として存在している人は、
「子どもの可能性を潰すだけ。」
の存在になってしまう可能性があるのです。
「本当の才能」とは何か。
「本当に教えるべきこと」は何か。
いま一度新たな視点を、刺激的な視点を加えて考え直してみましょう。きっと、それが、今後の日本を支える素晴らしい子どもたちの育成につながるはずです。!
まとめ。
ここまで、「子どもの『見方』を広げる『お役立ち本』」を5つ紹介してきました。
このブログを書く当初は、「子どもと共に読めたら」などと、淡い期待をもっていましたが、やはり「人生」をテーマとして語るのであれば、そんなに甘い本を紹介する訳にもいきません。
本当に、僕自身の「人生観」「教育観」に深く影響を与えてくれた本を紹介させていただきました。
間違いなく、読んだ後には、人生が開けます!
そして、教師として仕事をしているあなたであれば、そんな価値観を子どもたちと共有するチャンスがあるのです。
ぜひ、子どもたちの人生を豊かに、充実したものとなるよう生かしていただけたらと思います!
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