「テストでいい点数が取りたい!」
「サッカーが上手くなりたい!」
というように、子どもたちは「成長したい!」という気持ちをもっています。
しかし、
「テスト勉強をしているんだけど、結果につながらない。」
「サッカーの練習はしているんだけど、この練習方法で大丈夫かな?」
という悩みへの「答え」は、意外とだれも教えてくれません。
本記事では、「勉強」でも「スポ―ツ」でも役に立つ「正しい練習方法」をまとめました。
もちろん、「好きな時間に好きなだけ練習に打ち込める」という「環境」であれば、「練習方法」を気にすることなく上達していくでしょう。
しかし、現代の子どもたちの日常は、大人が考える以上にいそがしい。「自分がやりたいことにとことん取り組める」という子どもさんの方が少ないかもしれません。
そのような子ども時代だからこそ、「練習効率を上げる」ということが求められるのです。
ぜひとも、本記事を読んでいただき、子どもさんが、
という願いがかなうよう、「練習方法」から見直してみてくださいね。

【正しい練習方法】「まちがい」を受け止め、「まちがい」を集中的に練習する
「正しい練習方法」を紹介する前に、前提を確認させてください。
あたり前ですが「勉強」も「スポーツ」も「練習をすることで上達」します。
しかし、世の中はある意味厳しさを有しています。その厳しさとは、
「練習をすれば、だれしもがプロ級になれるというものでもない。」
ということも事実。
例えば、「自動車の運転」を思い出してみてください。
人によっては、「毎日、自動車で通勤している」という方はたくさんいらっしゃるでしょう。ということは、「毎日、欠かさずに自動車の運転を練習している」とも言いかえられます。
しかし、「自動車通勤している人が、みんなプロレーサーになれるか?」と言ったら、そんなことはありません。
「レーサー」になる人は、「レーサーになるための特別な練習をこつこつ積み上げている」のです。
このような例からも分かるように、「練習すればプロになれる」というものではないのです。大切なのは、
ということ。
同じ練習でも、テレビをみながら取り組む「だらだら練習」と、気持ちを高めて行う「集中練習」では、「練習効率が違う」ということは、だれしもが予想できるはずです。
だからこそ、「とりあえず練習すればいいんでしょ。」という意識を修正し、「練習するときは、確実に成長できるようにしよう!」という「練習に取り組むための気持ち」を整えることが最優先なのです。
【正しい練習方法①】「まちがい」を受け止める
「勉強」や「スポーツ」、「音楽」においても「効果的な練習方法」というのは、
と言われています。
多くの人が、「何ができているのか?」に着目してしまいがちですが、実力を伸ばすために着目すべきことは、
なのです。
とはいえ、「できていないことに着目する」というのは、少しばかりの”痛み”を伴うでしょう。「できない自分」を積極的に探しにいくのはだれしも気が引けます。
しかし、「できないことを受け止める」ということは、その”痛み”以上の「結果」をもたらしてくれるのです。
ということで有名人になった13歳のクラリッサさん。
音楽業界で「練習方法」が注目されたのですが、彼女の「練習方法」こそ。
というものでした。
このように、「あっ、今ミスったな!」と「自分で気づき」、「自分で意識的に修正する」という「練習方法」こそ、最高の練習方法なのです。
マインドセットで有名なキャロル・ドゥエックさんも、
ということを実験から確かめました。
このように、「正しい練習方法」の一歩目は、「自分の『まちがい』に気づき、『受け止める』こと」から始まるのです。
【正しい練習方法②】「まちがい」を集中的に練習する
自分が「まちがえた部分」を把握したのであれば、次のステップは、「まちがいを修正する」ステップに入りましょう。
先ほど取り上げたクラリッサさんのように、
という地道な方法が最高の練習方法です。
アンダース・エリクソンさんが、「超一流」と呼ばれるさまざまな分野のスペシャリストを調べた研究でも、
と主張しています。
「意図的な練習」というのは、「自分のまちがいを集中的に練習する方法」です。
わたしたちは、「できている部分」にばかり目を向けて「まちがい」を見て見ぬふりしてしまいがち。
しかし、「正しい練習方法」は、「まだできていないことに対して集中的に取り組むこと」なのです。
【正しい練習方法③】積極的に「テスト」を受け、実力をチェックする
最後にご紹介するのは、「テストを受ける」という方法です。
ここまでまとめてきた「正しい練習方法」は決して派手なものではありません。
どちらかというと、「できない部分をできるまでくり返す地味なもの」だと見えますよね。
この「地道な練習」に対して、多くの人たちは「耐えきれずにリタイア」していくことでしょう。
だからこそ、「勉強」でも「スポーツ」でも、実力差が生まれ、プロとアマチュアというような「差」ができるのです。
ここで問題となるのは、「どのようにすれば、地道な練習を続けられるのか?」ということ。
そのヒントとなるものこそ、「テスト」なのです。
「テスト」と聞くと、多くの子どもたちは、よいイメージをもたないかもしれません。
しかし、日々こつこつと努力している子どもさんは、一般的なイメージとは少し違った受け止め方をするはず。
というのも、
と、思えるはずなのです。
「毎日、こつこつと勉強をした」のであれば、
という気持ちがわいてくるでしょう。
「毎日、こつこつとサッカーの練習をした」のであれば、
と、わくわくしてくるのではないでしょうか。
このように、「こつこつと地道な練習を積み重ねてきた」のであれば、その成果を「テスト」をすることによって確かめることが大切なのです。
ぼくたち人間の特性として、
というものがあります。
たとえ「全問正解」でなくても。
たとえ「試合に負けてしまった」としても、
という「ちょっとした成長」が、これからも続いていく”こつこつ練習の日々”へのモチベーションを高めてくれるのです。
だからこそ、「テスト」のような「客観的な実力チェックの機会」を取り入れることが大切です。
そして、「新しいまちがい」に気づいたのであれば、ふたたび「集中的な練習」の始まりです。
このような3ステップをくり返すうちに、「始めたときには想像できなかったような自分」にたどり着くことができるのです。
【正しくない練習方法】やってはいけない「反復練習」とは
ここまで「正しい練習方法」をまとめてきましたが、「正しくない練習方法」もご紹介します。
意外とやりがちな「練習方法」ですので、子どもさんがやってしまっていたら、「正しい練習方法」になるようアドバイスをしてあげてくださいね。
気になる「正しくない練習方法」ですが、
という方法です。
「漢字練習」を例として考えてみましょう。
テストにそなえ、「進出漢字10問を覚える」ということが「目標」としてください。
このような「目標」を達成するために、やりがちなまちがい練習方法は、
というもの。
「なぜ、この練習方法がまちがっているのか。」を考える上で、大切になってくるのは、
です。
この2つの効果をざっくりまとめると、
ということ。
「テスト」に向けて”こつこつ練習”をしたとしても、「知らず知らずのうちにかたよって覚えてしまう」ということになってしまうのです。
だからこそ、「本当に記憶できているか」を確かめるためには、
を実践する必要があります。
10問の問題を「ランダム」に解き、「できなかった問題」をピックアップして「集中練習」をする。
この「ランダム練習法」をくり返すことにより、「どのような順番で出されたとしても正解する実力がつく」のです。

【正しい練習方法】結果を残した先人の練習方法
ここからは「正しい練習方法」を実践された方々の例をご紹介します。
抽象的な説明だけでは、イメージがしにくい部分もあると思いますので、それぞれの「練習上級者」の練習方法を読んでいただき、ご自身の練習方法の改善につなげてくださいね。
子どもたちに「チェス」を教えた「先生」の練習方法
エリザベス・スピーゲルさんは、学校の教師をしつつ、チェスを指導していました。
スピーゲルさんが勤務していた学校は、いわゆる低所得者層の学校でした。しかし、チェスの大会となると私立学校のような裕福な生徒たちをものともせず勝利していることが話題となっていました。
そこで気になるのは、「スピーゲルさんが、どのようにチェスを教えたのか?」ということですよね。
スピーゲルさんの「教え方」の特徴は、
・とにかく自分の試合を事細かにふり返る。
・ふり返るポイントは、『成功』よりも『失敗』。
・『失敗』した部分をとことん考え抜き、『代案』を示させる。
というものでした。
とても地味な練習方法ですが、スピーゲルさんは、「本を読み、知的好奇心を刺激しながら楽しく学ぶ」という従来のチェス練習方法に頼ることなく「とことん自分の試合をふり返り、”どこが悪かったのか”を探す」という練習方法をつらぬいたのです。
【参考文献】📚失敗する子 成功する子
「ふつう」と「一流」を分けた「個人練習」
先ほども登場した心理学者であるアンダース・エリクソンさんの研究から、
ということが分かりました。
エリクソンさんの研究内容をざっくり紹介すると、「バイオリンを専攻している学生」を対象として、「練習において、どのようなことを大切にしているのか。」を調査しました。
その調査から分かったことは、
ということだったのです。
おもしろいことに、
というから、驚きです。
さらに興味深いのは、「バイオリン」だけでなく「チェス」でも「チームスポーツ」であっても、「個人練習の重要性」は、変わりないということです。
ここで気になるのは、「なぜ、個人練習が成果を上げるのか?」ということ。
調査で分かったことは、
ということでした。
もう少し言葉をつけ加えると、
「自分の練習をふり返り、『自分の課題はどこなのか。』『課題を改善するためには、何をすべきなのか。』『その改善策は、本当に効果的なのか。』というように、『自分との対話』の中で、自分の学びを受け止め、必要に応じて改善していく過程にこそ練習効率を高めることにつながる。」
ということなのです。
このように、やみくもに練習を続けるのではなく、「練習した自分をみつめ直す」という取り組みにこそ、「練習の成果」を存分に高めてくれるのです。

【正しい練習方法】「練習」よりも「環境」が大事
ここまで、「正しい練習方法」について事例をあげながら紹介してきましたが、練習方法と同じくらい大切なのは「環境」なのです。
と言われているくらい、「環境を整える」ということは意識すべきです。
「勉強」であれば、
✅とにかく静かな「図書館」や、だれもいない「部屋」が集中しやすい。
✅少しざわついた「自習室」や、音楽が流れる「カフェ」が集中しやすい。
というように、「自分に合った環境」を選ぶことが「勉強効率アップ」につながります。
「スポーツ」でも、「練習効率を上げる環境」というのは存在します。ずばり、
という「環境」であれば、「練習効果アップ」につながるのです。

卓球の名選手が次々と生まれた「場所」とその意外な理由とは。
「練習方法」も大切だけど、それ以上に「環境」が大切であるということを書いてきました。
その根拠となるおもしろい事例をご紹介します。
イギリスにシルバーデールという1本の通りがありました。
1980年代の一時期。この1本の道の周辺で多くの卓球選手が育っていったのです。
もちろん、卓球の才能をもった子どもたちが集まったのではなりません。
理由は、とても単純なことでした。
その理由とは、
ということでした。
「卓球施設」といっても、それほど立派なものではなく、「小屋の中に卓球台が一台設置されている」というレベル。しかし、シルバーデール近郊に住んでいた子どもたちは、この「卓球施設」を存分に使い倒して卓球を楽しんだのです。
その結果、図らずとも「名卓球選手がごろごろ生まれる、イギリスの卓球中心地になった」というから驚きです。
「環境」がどれだけ影響を与えるかということが分かりますよね。
【参考文献】📚才能の科学
まとめ
本記事では、「練習効率を上げる正しい練習方法」についてまとめました。
①自分の「できない」に着目すること
②「できない」を集中練習すること
③定期的に「テスト」をして実力チェックすること
このような単純な練習を”こつこつ”と積み上げることにより、「大きな成果」に結びつくのです。
しかし、子どもさんに「こつこつ練習しなさいよ!」と声をかけても、一人で続けるのはむずかしいでしょう。
そんなときこそ「大人」の出番。
「目をそむけたくなるような失敗」に対してしっかりと受け止めるよう促し、「前回よりもできるようになったこと」を賞賛しつつ、子どもさんが「自分の成長」に気づき、さらに前向きに取り組むことができるよう、サポートしてあげてくださいね。
🔽「練習」は「習慣化」することで継続することができます。

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